「起業時に身に着けたいPCスキル」

PCスキルって一言に言っても沢山ありますよね・・・。
独立に際して必要なスキルってたくさんありますが、今回はPCを使って基本的なスキルに関する知識についてご紹介します。

独立起業を考える際には、幅広いPCスキルが役立ちます。以下は、独立起業に備えて磨いておくと良いとされる主なPCスキルです。

目次

PCスキルの区分について

PCスキルをまず最初に考えるにあたり、「ハードウェア」と「オペレーティングシステム」と「ソフトウェア」について知っておきましょう。

「ハードウェア」とは物理的に存在する物体のことで、パソコンやスマートフォンなどの端末や、通信をするための機器などを指します。

「ソフトウェア」はパソコンやスマートフォンで実際に操作するアプリケーションなどを指しています。

「オペレーティングシステム」はハードウェアとソフトウェアの橋渡しをします。

普段はそこまで意識しなくてもよいのですが、正しく理解しておくだけでも問い合わせ作業の効率化やトラブルの原因の切り分けが早くなります。

この記事では、これらの違いについて簡単に触れていきます。

PCソフトウェアの種類について

パソコンを操作したり、スマートフォンを操作するときに動いているもの一つ一つが全てソフトウェアなのですが、大別すると「オペレーティングシステム」と「アプリケーション」に分かれます。

オペレーティングシステムの仕事

オペレーティングシステム(OS)は、「コンピューターの操作を行うための機構」のことです。

電源を押したらパソコンが使えるようになりますが、マウスやキーボード、モニター、スピーカー、有線・無線インターネット、といった周辺機器がどのように接続されているのかを確認して使えるように準備したり、どのようなアプリケーションが用意されているかを確認して一覧を出す準備をしてくれているのがOSです。

主にハードウェアのコントロールと、保存データの管理、アプリケーションを複数動かすためのリソース管理をしています。

OS単体では実はほとんど何もすることができません。OSを通じてアプリケーションを起動して初めてしたいことができる状態が整います。例えば電源を入れたらインターネットブラウザ(ChromeやEdgeなど)を起動することでインターネットを閲覧することができますし、メールソフト(OutlookやThunderbird)を起動することでメールを閲覧することができます。

最近のOSは私たちが使いやすいように「デスクトップアイコン」や「アプリケーション一覧」や「ホーム画面」からアプリケーションを選択して起動することができるようになっていて、簡単にアプリケーションを起動して様々な作業を行うことができます。

各アプリケーションはOSに「ちょっとYahooからニュース記事もってきて」と伝えるとニュース記事のページのデータを読み込んできますし、取ってきたデータに関して「こんな感じで表示よろしく」と伝えると、OSがモニターに映し出してくれたり、「これ印刷してくださいな」と伝えるとOSが予め登録したプリンターから印刷してくれたりと、ハードウェアとの橋渡しをしてくれるようなイメージです。

ビジネスをする上で抑えておきたい点はOSの種類と主な用途です。

OSの種類

主に知られている代表的なOSとなると下記の4点が挙げられます。

  • Windows
  • MacOS
  • iOS
  • Android

他にもサーバー用途によく使用されるLinuxやUnixなども存在します。

ここで大事なことは「オペレーティングシステム毎に対応するアプリケーションがある」ということです。最近では全対応のソフトウェアも増えてきましたが、それぞれアプリケーションの作り方が異なるため、MacOSでしか使えないアプリケーションや、Androidでしか使えないアプリケーションが存在します。

OSの詳細や、仕組みを知っておく必要はありません。ビジネスでは「相手がどのような端末を使用しているのか」を確認しなければいけないことがあります。こちらから送ったデータが開けなかったり、文字化けしたりといったトラブルに会った際に、まずは相手の使っている端末のOSを聞くことで、解決のとっかかりになることが多くあるためです。

たとえば、メールやファイル送信時に文字化けが発生したとします。相手のOSを確認できれば「MacOS メール 文字化け」と検索できれば具体的な解決方法が出てくることが多いのです。これは無駄なやりとりを減らして効率化ができるだけでなく、スムーズに解決することで相手からの信頼を得ることにもつながります。

小さなことですが、基礎部分を知っているだけでも大きく違ってきますので、ぜひ押さえておきましょう。

ビジネスで使用するアプリケーション

次にアプリケーションですが、これは実際にあなたが何をするかに関わってきます。

この記事内では、独立するにあたってまず持っておくとよいアプリケーションの基礎知識ついて下記の6種類を挙げてみました。もしこの中に今まで振れたことがないものがあれば、ぜひ中身を確認してみて下さい。

  • オフィススイート
  • コミュニケーション
  • デザインツール
  • プログラミング
  • データ分析
  • セキュリティ

これら全て知ってるよ!という人は実践記事をご覧ください。

それでは順番に1つずつ解説していきます。

オフィススイート

オフィススイートという単語自体は聞き覚えがなくても「エクセル」や「ワード」という単語であれば聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。文章作成や表計算、プレゼンテーションといったオフィス業務に必要なソフトウェアをまとめたパッケージのことをに「オフィススイート」と呼びます。

代表的なソフトウェアには「Microsoft Office」や「Google Workspace(旧称:G Suite)」などがあります。オフィススイートを使いこなすことは基本中の基本と言えます。恐らくここを見られている方はオフィススイート自体はご存じな方の方が多いかと思います。

ここで重要なのは「オフィススイートとして何を選択するか」です。代表的なものと、その特徴をご紹介します。

Microsoft Office

現在最も主流なオフィススイートのアプリケーション群。

Word(ワードプロセッサ)Excel(スプレッドシート)、PowerPoint(プレゼンテーション)、Outlook(メールクライアント)、Access(データベース)などの主要アプリケーションが含まれます。

主な特徴は以下のような点が挙げられます。

  • ビジネス環境で広く利用されている。
  • 他のオフィススイートはこのアプリケーションを真似て作られているといっても過言ではない。
  • 現在はOffice365という名前でクラウド機能を多く備えたバージョンが主流です。
  • モバイル版もあるため、タブレットやスマートフォンで内容の確認、プレゼンが可能です。

OSの分野では圧倒的なシェアを持つ米Microsoft社のWindowsですが、成功の要因にはOSと一緒にWEBブラウザとオフィススイートを抱き合わせで販売したことが挙げられます。近年にGoogleが進出してくるまでライバルらしいライバルはおらず、企業間のやりとりなどで別のアプリケーションを使用するとデザイン崩れなどが発生することから、仕事に使うPCスキルといえばWord&Excel、というイメージを強く植え付けたアプリケーションです。

現在も強さは圧倒的なので、基本はこちらを選択することが多いですが、価格が比較的高めのためコストを削減したい場合は他の選択肢を選択することがあります。

現在はサブスクリプションタイプが主流で、「Microsoft 365 Apps for business」が最もベーシックなプランとなり、1年縛りの契約時で1,030円/月となっています。買い切りのパッケージもありますが、常に最新版で使用できるサブスクリプションタイプのほうがビジネスでは適しています。

選定基準として、自分だけで編集が完結する場合(印刷したりPDFにして送信するだけでExcelファイルを送ることがない場合)はMicrosoftOfficeである必要性はないため他のアプリケーションを選択する余地があります。編集するためにExcelやWordの作成中のデータをやりとりする場合は迷わずMicrosoftOfficeを選択しましょう。

Google Workspace(旧称 G-Suite)

利便性などから現在急速に利用が広がっている米Goole社の提供するオフィススイート

Googleアカウントを主軸として、多数のオンラインアプリケーションを提供しており、Google Docs(ワードプロセッサ)、Google Sheets(表計算)、Google Slides(プレゼンテーション)、Gmail(メール)、Google Drive(データ保存)などが含まれます。

特徴としては以下のような点が挙げられます。

  • クラウド上でのリアルタイム共同編集が可能。
  • 複数の端末で同期される。
  • ファイルの保存や編集がオンラインで行える。

非常に使いやすいWeb版のアプリケーションで、インターネット上のGoogleのデータ保管場所にリアルタイムで保存されていくため、保存忘れでデータが消えることがなく、過去の状態に復元することも簡単にできます。

特にオンライン共有による複数人同時編集や、閲覧共有機能で特定の人に閲覧のみの権限を与えることで、編集中のドキュメントの中身を見てもらうことができます。MicrosoftOfficeでも最近これらの機能は使えるようになっていますが、Googleのほうがこの点は優れています。作業効率がよく生産性が高くなるため、最近では採用する企業も増えています。

筆者はMicrosoftOfficeもGoogleWorkspaceも両方使用していますが、最近では作成途中のExcelファイルなどを直接送る必要がない場合は、ほとんどGoogleWorkspaceを使用しています。Excelで使用される関数などはほぼ網羅されており、使い勝手で困ったことはまずありません。強いて違いを上げるとしたら、マクロ機能があるかないかですが、これはプログラミングをしない人には関係ないため、ほぼ違いはないと言っていいくらいまで仕上がっています。

Excelファイルを読み込む機能や、Excelファイルとして出力する機能がありますが、ここの部分の出来はそこそこです。レイアウトが変わってしまうことは避けられないため、完成されたデータを読み込むと修正に追われることになります。逆に言えば修飾せずにデータだけを入力したものを開くのであればほとんど問題は起こりません。

LibreOffice と Apache OpenOffice

オープンソースソフトウェア(無償で公開されるプログラムコードを使用した)で無償で使用できる

Writer(ワードプロセッサ)、Calc(スプレッドシート)、Impress(プレゼンテーション)、Base(データベース)など。

  • オープンソースで無料で利用可能なオフィススイート。
  • ユーザーフレンドリーなインターフェース。

どうしても無償で使用したいという場合には選択肢になりますが、ビジネスで使用する場合はどうしても相手がいるため

WPS Office

格安PCや中古PCにインストールされることが多いオフィススイートです。

  • LibreやOpenofficeと比べると比較的動きが早い。
  • Microsoft Officeとはそこそこの互換性がある。

これらのオフィススイートは、個々のニーズや好みに応じて選択できます。無料で提供されるものもありますが、有償版やクラウドサービスを利用することで、さらなる機能や利便性が得られる場合もあります。

コミュニケーションツール

リモートワークやクライアントとのコミュニケーションに必要なツールとして、Slack、Microsoft Teams、Zoomなどを使いこなすことが求められます。

過去ではメールが主なコミュニケーションツールでしたが、LINEなどのようなチャット式のやり取りとすることで、チームや個人間でのコミュニケーションを高めるためのソフトウェアやアプリケーションです。リモートワークや分散した環境での作業が増える中で、効率的なコミュニケーションが求められています。

以下では、いくつかの主要なミュニケーションツールについて記載します。

Chatwork

用途: チャット、ビデオ通話、音声通話

日本国内ではかなりのシェアを持つコミュニケーションツール。
多くの企業が採用しているため、B2B(対企業コミュニケーション)ではこちらがおすすめ。
グループでのビデオ通話やチャットが可能。

LINE

用途: チャット、ビデオ通話、音声通話
特徴:
こちらも日本国内ではかなりのシェアを持つコミュニケーションツール。
個人向けに広まっているため、B2C(対顧客コミュニケーション)に優れている。
公式アカウントやビジネスアカウントといった種類があり、企業や個人事業主が対個人に対して情報を発信するのに優れている

Slack

用途: チャット、ファイル共有、プロジェクト管理

外部連携の豊富さや多彩なチャンネル機能が特徴で、コミュニケーションが迅速に行える。

チームごとに異なるチャンネル(LINEやChatrowkでいうグループのようなもの)を作成できる。多人数でプロジェクトを進める場合などに使いやすい機能がいくつもあるため、開発を行う企業などがよく採用している。
外部連携やアプリの統合が豊富。

Microsoft Teams


用途: チャット、ビデオ会議、ファイル共有、プロジェクト管理
特徴:
Office 365と統合されており、ワードやExcel、PowerPointなどとの連携がスムーズ。
ビデオ会議やオンライン会議が簡単に開催できる。
日本国内では採用数は増えてきているが、どちらかというと社内向けといった傾向が強い
カレンダー、タスク管理などが一元管理可能。

Zoom


用途: ビデオ会議、ウェビナー

直感的なインターフェースでシンプルかつ使いやすいビデオ会議アプリケーションです。
会議室を作成し、参加希望者に接続用のURLリンクを送ることで、誰でも会議に参加でき、大人数でのビデオ会議が可能で、画面共有やチャット機能も充実しています。

ビジネス用WEB会議ツールとしてはZoomと後述するGoogle Meetsのどちらか一方があれば問題ないでしょう。無償版は時間制限があるため、ビジネスで使用する場合はオフィススイートをMicrosoftOfficeにした場合などはZoomを有償契約することをおすすめします。

Google Meets


用途: ビデオ会議、ウェビナー

Google Workspaceに含まれているビデオ会議ソフトウェアで1時間制限があるバージョンは無償で使用可能です。
こちらも画面共有やチャット機能は十分であり、Google各種製品との相性がよく、特にインターネットブラウザのChromeを使用してWEBページやGoogle Workspaceの画面をお互いでプレゼンすることができる画面共有機能を使う場合などはこちらの方がZoomに比べて高機能になる。

ZoomかMeetsのどちらかの有償契約をしていれば、ほとんどのビジネスでは特に問題がないため、Google Workspaceている場合は、Zoomは選択する必要がなく、こちらを使用すると良いと思います。

デザインツール

グラフィックデザインやウェブデザイン、プレゼンテーションの作成など、視覚的な要素を制作するためのソフトウェアやアプリケーションです。
以下は、デザインに関するさまざまな作業に使われる主要なデザインツールについての紹介です。

Adobe Creative Cloud

代表的な製品:
Adobe Photoshop: 画像編集や合成。
Adobe Illustrator: ベクターグラフィックスの制作。
Adobe InDesign: ページレイアウトや印刷物の作成。
Adobe Premiere Pro: 動画編集。

業界標準とされる、プロフェッショナルなデザインツールのひとつです。各製品は専門的なタスクに特化しており、高度な編集や制作が可能です。

直に触れることはなくとも、名刺やパンフレットの制作を依頼したり、ロゴの制作を依頼するなど、デザインに関する作成を行う場合などにこれらのアプリケーションで作成されたデータを納品されることがあるため、概要や簡単な特徴を知っておくと非常にスムーズになります。

印刷物まで作成してもらうのではなく完成したデザインデータを納品してもらい、印刷はオンライン印刷サービスに自分で注文することで、コストを削減できたり、用紙やサイズの変更をしたり、追加印刷をしたり、といった管理がしやすくなる場合もあります。

GIMP

用途: オープンソースのラスターグラフィックス編集ソフトウェア

無料で使える、写真編集、イラスト制作、画像合成などの様々なグラフィックデザインができるソフトウェア。
写真の補正、画像の切り抜き、レイヤーの操作、ペイント、テキスト編集などが可能で。

IncScape

オープンソースのベクターグラフィックスエディタ

無料で使える、拡大・縮小しても画質が劣化しないベクターグラフィックスを編集できるソフトウェア
引き延ばして印刷するものを作成する場合に最適で、テキストを追加し、フォントやスタイルの編集が可能です。

これらのデザインツールは、目的によって使うものが異なります。
他人とのやり取りが発生する場合はAdobe製品を、自分が制作するだけであれば無償のオープンソースソフトウェアを使用すると良いです。
プロのデザイナーやビジュアルコンテンツの制作者は、自身の作業スタイルやプロジェクトの要件に基づいて最適なツールを選択します。

データ分析

ビジネスでデータを分析する場合のツールというのは数多くありますが、起業直後にまず触れておいたほうが良いデータ分析に「ホームページに訪問するお客様の分析」があります。

近年では広告はネット広告に掲載するのがコストパフォーマンスに優れていたり、紙媒体でも載せきれない情報をQRコードの印刷からホームページに誘導することでカバーしたりと、起業時にサービスについての説明を行うホームページの作成をすることが殆どです。

ホームページを作成したときは、Googleから提供される無償の各種ツールが非常に役立ちます。主要なGoogleツールを活用したデータ分析に関連するスキルをいくつか紹介します。

Google Analytics

用途:ウェブサイトやアプリのトラフィックとユーザー行動を追跡・分析

サイトへのアクセス状況や接続元分析、行動分析、セグメント分析など様々な分析が可能な超重要ツールであり、ネット販売やホームページで集客をする業態であれば身に着けておきたい必須スキルとなります。

Google Trends

キーワードのトレンド分析が可能です。

地域や期間別の検索傾向を理解することで、ページやストアを検索で表示されやすくするなどの戦略を練ることができます。

使い方は簡単で、だれでもトレンドを確認することができますので、一度は自分のビジネスに関係する単語などを入れてみると新たな商機がつかめるかもしれません。

Google Lighthouse

ウェブページのパフォーマンスや品質を評価するツールです。

ウェブページの改善ポイントを特定し、表示速度を向上したり、お客様に使いやすいページにしたりすることで検索順位の向上に寄与します。

Lighthouseの評価結果は、パフォーマンス、アクセシビリティ、ベストプラクティス、SEOの4つのカテゴリでスコアが表示され、各カテゴリには、改善が必要な項目や提案が具体的に示されます。

基本的にこの評価が高いほど、表示が早くお客様に閉じられにくいページであると言えます。ホームページを所有したときはこちらは確認しておきたいポイントになります。

様々なツールを上げてきましたが、最初からすべてを100%理解する必要がありません。

まずは起業前にオフィスツールとコミュニケーションツールを一つずつ選定して、それを使いこなせるように勉強すると良いでしょう。

ロゴや看板などデザイン関係の話が出てきたら、デザインツールに関する基礎を学び、ホームページを作成するなら分析を学ぶ、といった順番でスキルを身に着けていくと良いと思います。

これらは知らないのと知っているのでは大きく差がでてきます。手の届く範囲で知識を磨いていくようにしましょう!

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